著者のコラム一覧
西牟田靖ジャーナリスト、ノンフィクション作家

1970年、大阪府生まれ。国境や家族などをテーマに執筆。著書に『ニッポンの国境』『本で床は抜けるのか』『わが子に会えない』など。

大阪工大高(当時)野上友一監督 昭和天皇が崩御で幻となったラグビー決勝戦【後編】

公開日: 更新日:

 1989(昭和64)年1月7日、昭和天皇の崩御に伴い、第68回全国高等学校ラグビーフットボール大会の決勝戦は中止。大阪工大高(08年から常翔学園)と茗渓学園(茨城)が、異例の二校同時優勝となった。その当時、大阪工大高でヘッドコーチをしていた野上友一監督(63)に崩御によって受けた影響とその後の顛末について聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ーー天皇崩御の知らせを聞いた当日のことを聞かせて下さい。

 午前11時ぐらいには宿舎の旅館くら本(なんばから1駅の日本橋)を出発する予定でした。ところが、その少し前の午前10時、宿舎に電話がかかってきたんです。

 それを受けて、全員が食堂に集合し、荒川博司先生が皆に伝えました。

「今日の決勝戦はなくなった。試合はない、ということや。今から花園に行って、表彰式だけをやることになった」と。

 政府からは「48時間は喪に服してほしい」という民間要請があったが、延期すれば試合は1月9日となる。それでは始業式と被ってしまうということで、緊急実行委員会が中止を決断したのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝