西牟田靖
著者のコラム一覧
西牟田靖ジャーナリスト、ノンフィクション作家

1970年、大阪府生まれ。国境や家族などをテーマに執筆。著書に『ニッポンの国境』『本で床は抜けるのか』『わが子に会えない』など。

大阪工大高(当時)野上友一監督 昭和天皇が崩御で幻となったラグビー決勝戦【前編】

公開日: 更新日:

 1989(昭和64)年1月7日、昭和天皇が崩御され、その日、行われる予定だったあらゆるイベントが中止となった。第68回全国高等学校ラグビーフットボール大会の決勝戦もそのひとつ。大阪工大高(2008年度から常翔学園)と茗渓学園(茨城)による決勝戦は開催されず、異例の二校同時優勝となった。

 その当時、大阪工大高でヘッドコーチをしていた野上友一監督(63)が振り返る。

  ◇   ◇   ◇

 1988年の10月から12月、世の中は自粛ムード一色だった。各地でお祭りが中止となったり、クリスマス商戦が控えられたり、各地で祝賀会や結婚披露宴が中止・延期となったりした。テレビからお笑い番組が消えたり、「皆さんお元気ですか?」というCMから音声が消えたりもした。そんな中、例年通りの年の瀬に高校ラグビーの全国大会が始まったのだった。

 ーーその年はどんなチームだったんですか?

 ひと言で言うとかなり強いチーム。フォワードは大きくてパワーがあった。バックスには元木由記雄(センター、2年)、キャプテンの伊藤紀晶(フルバック、3年)、エースの佐野浩司(スタンドオフ、3年)がいたりした。そういう素質のある選手が揃っていた年。十分に優勝を狙える実力があったし、実際、優勝を狙っていました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗