五郎丸引退会見 キック技術とメンタル指導で引く手あまた
来年1月開幕のトップリーグを最後にユニホームを脱ぐラグビー元日本代表FB五郎丸歩(34=ヤマハ)が16日、浜松市内で引退会見。早大卒業後にヤマハとプロ契約した際、現役は35歳までと決めていたそうで「気力、体力が衰えているので、節目での引退がベストだと思った」と、決断の理由を明かした。
今後については「全くの白紙。シーズンが終わったら考えたい」と話すにとどめたが、キックの名手をラグビー界が放っておくはずがない。
日本代表で歴代最多記録の通算711得点をマークした名キッカーは、若い頃から世界の名手による英才教育を受けた。早大1年時には正確無比なキックで、2003年W杯豪州大会でイングランドを優勝に導いたSOジョニー・ウィルキンソンから直々の指導を受け、あの五郎丸ポーズを確立させた。11年にエディー・ジョーンズ氏(現イングランド代表ヘッドコーチ=HC)が日本代表のHCに就任してからは、スポーツ心理学の専門家によるマンツーマン指導で、極限状態でもパフォーマンスを発揮できる強いメンタルを築き上げた。
キックの精度向上は日本の課題の一つ。史上初の8強入りを果たした昨年のW杯でキッカーを務めたSO田村優の成功率は71%にとどまった(15年大会の五郎丸は78%)。
キックの技術、メンタルとも指導できるのは五郎丸をおいて他にいない。引退後はコーチとして引っ張りダコか。