ロシアとベラルーシの北京パラ除外決定…政治的中立を失った「平和の祭典」の末期症状

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 光芒一閃の出来事だった。3日、国際パラリンピック委員会(IPC)が、北京パラリンピック参加を容認していたロシアとベラルーシ選手について急転、出場禁止とすると発表した。

 4日は開会式。土壇場での方針転換についてIPCのパーソンズ会長は「複数のNPC(各国パラリンピック委員会)は政府、チーム、アスリートからの連絡で競争しないと脅かしている」とコメント。複数の国の選手団がボイコットをチラつかせてきたことを明かした。

 当初、IPCの参加容認の判断を巡っては各国から非難が相次いでいた。先月28日に国際オリンピック委員会(IOC)がすべての国際競技連盟に、ロシアとベラルーシの選手、関係者について国際大会から除外することを勧告すると、サッカーバスケットボールなど多くの競技団体が両国の選手の除外を決定。当初のIPCの決定はその動きと逆行する形となり、米国五輪委員会のサラ・ハーシュランド会長は「失望」と声明を発表。英国パラ委員会も「IPCには非常に失望している。これは間違った決定。緊急に再考を求める」と非難していた。欧米諸国のボイコットとなれば、大会そのものが成立しなくなる。IPCも欧米諸国を中心とした外圧に屈するしかなかったのだ。

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