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阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

トイレで酔いつぶれ、野手のミスに平然…野茂英雄のそんな姿が周囲との距離を縮めた

公開日: 更新日:

 周りを見渡すと、新人の野茂英雄の姿が見当たらない。いったい、どこへ行ったのか……。

 1990年2月の日向キャンプでのことだ。近鉄投手陣は、最初の休日前夜に新人歓迎会をやるのが恒例で、場所は日向市内の居酒屋だった。

 当時は先輩が酒をついだら飲めという時代。野茂は先輩から酒をつがれるたびに、グラスを空にしていた。酒が強いと聞いていたけれども、つがれるたびに飲み干していたらさすがに酔う。ちょっと飲ませ過ぎかもしれないと思ったら、いつの間にか姿が見えない。聞けばトイレで酔いつぶれ、倒れていたという。

 野茂は自分で殻をつくるというか、あえて周囲と距離を取りたがるような部分があった。話していないことまでメディアに報じられて神経質になっていたのか、あるいはいろいろとしゃべり過ぎて誤解を生みたくないという思いがあったのか。いずれにせよ投手陣の中でも他人行儀なところがあった。

 それだけに先輩の勧める酒を、「もう、いいです」などと断っていれば周囲との距離は縮まらなかったと思う。けれども、つがれるままにグラスを空け、飲み過ぎるくらい飲んだ挙げ句にトイレで酔いつぶれた。そんな野茂の姿に投手陣が、親しみを覚えたのは事実だ。

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