著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

「銃と隣り合わせ」の大リーグ 勝っているときほど収拾がつかなくなる

公開日: 更新日:

 あるいは、昨年のオールスター戦では、開催地クアーズフィールドに隣接するホテルに無断でライフルなどを持ち込んだ4人が地元警察に逮捕されている。

 オールスター戦では毎年多くの人が試合だけでなく、球場の内外で行われる関連行事に参加する。それだけに、当局の初動が遅れていれば観客や選手を対象とした無差別銃撃が行われ、大きな被害が生じていたかもしれない。

 さらに時代をさかのぼれば、1968年に大リーグ最後の30勝投手となったデニー・マクレインは1970年2月に銃の不法所持が発覚し、開幕から3カ月間の出場停止処分を受けている。後に自伝の中で「自分の無知が原因だった」と反省したマクレインではあったものの、殿堂入りが確実視された逸材の転落の第一歩だった。

 大リーグの球場では、グラウンドだけでなく場内でも、制服を着て腰に銃を携帯した警察官が巡回する場面を目にする。

「地元チームが勝っているときほどファンは収拾がつかなくなる」という経験則に基づき球場内の秩序を保つのが警察官の役割だ。

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