著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ジャイアンツのキャプラー監督は国歌斉唱拒否 選手や指導者が社会問題に関わることの是非

公開日: 更新日:

 講義の途中でも質問をするし、発言を求めると手を挙げ、話が終わればすぐに議論が始まる。米国の大学での授業や国際会議での発表などでは見慣れた光景だ。

 さまざまな意見の中には目を見張る内容があり、理解の水準の高さを感じさせる一方で、直前に話した内容を繰り返すだけの者や議論の趣旨にそぐわない話をする者もいる。

 それでも質問を促してもうつむいたままであったり、感想と質問とが入り交じり趣旨が不明確な発言に比べれば、日米の大学や学会という限られた範囲の中でも少なからぬ差のあることが分かる。

 これは、一面において「発言しなければ欠席と同じ」という考えの影響でもあろう。また、他面では相手の意見を聞き、自分で問題点を考え、伝えることを小学生の頃から実地で体験する米国と、「質問は分からないことを聞くもの」と考えがちな日本との違いと言えるかもしれない。

 それとともに、報道機関が共和党と民主党のいずれを支持するかを明確に示し、それによって読者や視聴者が発信される情報の質を判断できることは、特定の勢力や主義に偏らない「不偏不党」を標榜する報道よりも信頼できると考える米国社会の特徴も見逃せない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは