著者のコラム一覧
生島淳スポーツジャーナリスト

1967年、宮城県気仙沼市生まれ。早大卒。広告代理店勤務後、スポーツジャーナリストとして独立。高津臣吾著「一軍監督の仕事」「二軍監督の仕事」(ともに光文社)の企画・構成を担当。「エディー・ジョーンズとの対話」「箱根駅伝 ナイン・ストーリーズ」(ともに文芸春秋)など著書多数。

(3)20歳の長岡を大抜擢 数年後の“黄金時代”見据え若手起用では「あえて二兎を追う」

公開日: 更新日:

 開幕戦で長岡は、5打数4安打の固め打ちで早くも打席ではその存在をアピールしたが、守備ではやや不安を感じさせた。記録はヒットだが、捕って当たり前の当たりを取り損ねるケースが目立った。長岡の守備の危うさは、前半戦は見受けられた。しかし、高津監督は長岡を先発で使い続けた。

■「チャンスを与え、見守るのが仕事」

「年間143試合あるわけですから、すべて完璧なプレーができるわけじゃないです。若い選手の場合、使い続けていくことで自信を獲得していけばいい。監督とは、チャンスを与え、見守るのが仕事だと思ってます」

 高津采配の特徴として、エラーの後に代打が送られるような「懲罰交代」はほとんどない。ミスがあれば、他の場面で取り返して欲しい──そう考えるのが高津流なのだ。

 実際、その効果はあった。長岡の守備は徐々に安定してきただけでなく、その強肩が投手を救うようにもなった。長岡はコロナ陽性で離脱した時期をのぞき、完全にスタメンに定着。高津監督の「育てながら勝つ」を象徴する選手となった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑