著者のコラム一覧
生島淳スポーツジャーナリスト

1967年、宮城県気仙沼市生まれ。早大卒。広告代理店勤務後、スポーツジャーナリストとして独立。高津臣吾著「一軍監督の仕事」「二軍監督の仕事」(ともに光文社)の企画・構成を担当。「エディー・ジョーンズとの対話」「箱根駅伝 ナイン・ストーリーズ」(ともに文芸春秋)など著書多数。

(1)セ連続Vのマネジメント術 高津監督は目先の結果に動じず、長い目で選手を信じた

公開日: 更新日:

 ヤクルトが25日のDeNA戦(神宮)に勝利し、2年連続9度目のリーグ優勝を決めた。恩師である野村克也氏以来(1992、93年)29年ぶりの連覇を成し遂げた高津臣吾監督(53)は、どのようにしてチームを再び頂点へ導いたのか。高津監督の著書「一軍監督の仕事」「二軍監督の仕事」(ともに光文社新書)の企画・構成を担当、指揮官の考えを知り尽くすスポーツジャーナリストの生島淳氏が、5回にわたって“タカツ流マネジメント”を解き明かす。

【写真】この記事の関連写真を見る(26枚)

  ◇  ◇  ◇

 9月25日、高津臣吾監督が神宮球場で7度宙に舞った。優勝監督インタビューでは、次のように話した。

「(ファンの)皆さんと一緒くらいうれしいです。選手、コーチ、スタッフみんなを信頼してここまでやってきた。開幕の大逆転からスタートして、7月にコロナが蔓延してチームとして大変な時期が始まったが、なかなか輪が崩れない、素晴らしいチームとして戦えたことで、この9月25日を迎えられたと思います」

 ヤクルトスワローズにとっては93年以来、29年ぶりとなるリーグ連覇。高津監督はまた一歩、“名将”に近づいたのではないか。ただ、優勝したとはいえ、ヤクルトにとっては一筋縄ではいかないシーズンとなった。

 前半戦は好調だった。交流戦では西武、ソフトバンクに3連勝するなど、パ・リーグの6球団に対してすべて勝ち越し。昨季以上の充実ぶりだった。それでも高津監督本人は「戦っている現場からすると、なんとか勝っているという感じです」と謙虚な姿勢を崩さなかった。

 そして7月2日には史上最速でマジック53が点灯。この調子ならば、8月中にも独走でリーグ優勝を決めてしまうのではないかと思われていた。

 ところが──。

 7月9日に衝撃が走る。高津監督をはじめ、主力の山田哲人、塩見泰隆らがコロナウイルスに感染、戦線からの離脱を余儀なくされてしまった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑