侍J宮崎合宿は大谷らメジャー選手全員不参加の危機…日本側が億単位の巨額保険料負担に

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1人当たり数千万から1億円

「最大のネックは彼らを宮崎へ招集するために必要となる保険の問題です。WBCに出場する選手たちは、大会期間中の万が一の故障に備えて、保険に加入する。仮にWBCで投手が肘を故障し、1年間を棒に振ったとしても、保険会社が選手の年俸を補償してくれる。派遣元の球団が金銭面の損害を被らずに済むようにするのです。ただ、宮崎合宿はあくまで日本代表が独自で行うもの。MLBとMLB選手会が立ち上げた主催者・WBCIが負担する保険の適用外となる。メジャーリーガーを宮崎合宿から招集し、練習、強化試合に出場させるためには、NPBが保険料を負担する必要があり、そのお金がバカにならないというのです」

 NPBの井原敦事務局長は先日、メジャーリーガーの保険について、「保険会社からの見積もり待ち」と説明したが、12年当時、MLBのアーチー副会長が「保険をはじめ、運営に巨額のコストがかかる」と話したことがある。保険業界に詳しいジャーナリストがこう明かす。

「かつてレッドソックス時代の松坂大輔さんが北京五輪のアジア予選出場を模索した際、保険料が2億~3億円に上ることがわかり、出場を断念したといわれている。当時、松坂さんの年俸は867万ドル(約10億円=当時レート)と高額でしたからね。今回招集されるメジャーリーガーは、大谷選手(3000万ドル=約39億円)、ダルビッシュ選手(1800万ドル=約23億円)ら松坂選手以上の高給取りが多い。選手の年俸によって保険料は上下するでしょうが、大谷選手の場合はただでさえ投打二刀流で他の選手より故障リスクが高いうえ、39億円もの巨額の補償金が発生する。宮崎合宿の11日間だけで数千万から1億円規模の保険料が必要になると予想されます。いくら栗山監督が招集を希望し、選手が合宿から参加したいと思っても、NPBが巨額の保険料を支払えるのかどうか……」

■厳しい加入条件

 しかも、この手の保険は加入条件が非常に厳しいことで知られている。

「09年大会時は、プホルス(カージナルス=当時)が母国・ドミニカ共和国代表としての出場を検討しましたが、直前に右肘を手術したことで保険が適用されず、出場を断念せざるを得なかった。プホルスのように、代表に招集されながらも保険が適用されず、ドタキャンに追い込まれた選手は少なくない。過去の大会でMLBの所属選手は過去2年間を遡って60日間の負傷者リストに入ったことがネックになった。保険会社から故障リスクが高いと判断され、保険に加入できずに辞退したと聞いています」(前出の放送関係者)

 加えて、WBCで導入されている球数制限(1次ラウンド65球、準々決勝80球、準決勝、決勝95球)や登板間隔(1試合で50球以上で中4日=17年大会時)のルールは派遣元の球団が選手を守るためだけでなく、保険会社の意向が加味されているともっぱらだ。

 侍Jが大谷ら5人のメジャーリーガーを宮崎合宿に呼ぶなら、保険料だけで億単位のお金が必要になる。果たしてNPBにそこまでの余裕があるのかどうか。宮崎合宿はメジャーリーガー全員が不参加となるかもしれない。 

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