担当したルーキーや若手の面倒を見るだけがスカウトの仕事じゃない

公開日: 更新日:

「そういや、別の連中は地元の高校を見に行くって言ってたな。なんでもドラフト候補の右腕がいて、場合によっては上位指名もありそうだから、こっちにいるうちに見ておくってさ。なにも自分が担当したルーキーや若手選手の様子を見たり、相談に乗ったりするだけが、オレたちスカウトの仕事じゃねーからな。こっちにはわずかな期間しかいないんだし、時間は有効に使わないとな」

■主力の動きを見ておくべき

 そういえば部長には以前、言われたことがある。スカウトはアマチュアの試合ばかり追い掛けてるせいか、選手を見る基準が多少、甘くなるきらいがあると。なのでキャンプで主力選手の動きやグラブさばき、エース級の球のキレなんかを目に焼き付けておくべきだってね。

 オレが担当した高卒2年目の野手は順調に成長してる。二軍の首脳陣に聞いたら、シーズン半ばにはウエ(一軍)に推薦するつもりだって言ってたし、本人と話して今年にかける気持ちが強いことも分かった。すっかり気を良くして「おい、同期の〇〇にだけは負けるんじゃねーぞ」なんてハッパかけてすっかり仕事が終わった気になっていたけど、部長の誘いを断ってゴルフになんか行って、後でバレたら何を言われるかわかったもんじゃない。

「次の休日ですね? もちろん、一緒に行かせてください!」

 笑顔でこう言いながら、部屋のゴルフバッグはそのまま送り返すことになると思ったね(涙)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗