著者のコラム一覧
江上剛作家

1954年生まれ。早大政経学部卒後、第一勧銀へ。築地支店長時代に「非情銀行」で作家デビュー。その後、日本振興銀行の社長、破綻処理を経験。旺盛な執筆活動を続けている。近著に「定年後の壁」(PHP新書)、「小説 ゴルフ人間図鑑」(日刊現代・講談社)がある。

(9)「まさかの坂」を転がり落ちる

公開日: 更新日:

 田舎に住んでいる正一の母親が認知症で施設に入ることになったのだ。

 母親は、早くに夫、すなわち正一の父親を亡くし、一人暮らしをしていたが、70歳を過ぎ、認知症が激しくなった。このままでは火事などの不測の事態を引き起こしかねないため一人暮らしは無理ということになった。

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