著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ヤンキースのオーナー「スタインブレナー家」の変化を告げるレイズ救済…かつてはことあるごとに敵愾心も

公開日: 更新日:

 米国の気象史上5番目に大きな勢力であり、フロリダ州に上陸したハリケーン・ミルトンは、レイズの本拠地トロピカーナ・フィールドにも大きな被害を与えた。

 屋根が大破し、折れ曲がった鉄骨がむき出しになった様子は世界中に配信され、その損害の大きさを印象付けた。復旧には5570万ドル(約86億円)がかかり、しかも2025年のシーズン中には工事が終了しない見通しとなったため、レイズは早急に代替球場を探し出す必要があった。

 そのような中で手を差し伸べたのがヤンキースで、レイズは2025年の本拠地試合をジョージ・M・スタインブレナー・フィールドで開催することになった。

 タンパ・ターポンズとフロリダ・コンプレックスリーグ・ヤンキースというヤンキースのA級とルーキークラスの2球団が本拠地とするのがスタインブレナー・フィールドである。

 ヤンキースがスプリングトレーニングのエキシビションゲームで使用することもあり、マイナーリーグA級の球団の本拠地としては例外的に規模の大きい1万1000人が収容可能である。今季の1試合平均の観客動員数が1万6515人であったレイズが、声明の中で「タンパ地区において大リーグの試合を行うのに最も適している」と指摘したのも当然といえよう。

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