大関・琴桜が語り尽くす!綱とり・技・駆け引き・先代…「相手の良さを潰して勝負どころを見極めないと…」

公開日: 更新日:

日ごとに違う「自分の良さ」

 大相撲の力士はさまざまなタイプがいる。徹底的に相手を分析する力士もいれば、「意識しすぎるから、翌日の対戦相手すら知りたくない」という者もいる。負けた相撲を研究するかしないかも、力士ごとにさまざまだ。琴桜はどうなのか。

「その日の相撲は後で多少、映像を見ますけどそれくらいですね。負けた相撲を分析? 1場所、1日2日で直るものじゃない部分もあります。映像を見返しすぎて、自分の悪い部分を意識しすぎてもいいことはありませんから。だったら自分の持ち味、良い部分を出すことを考えます」

 琴桜の良い部分──。11月場所は先代尾車親方(元大関琴風)や、玉ノ井親方(元大関栃東)などが、「前に出て攻める相撲が良かった」と口を揃えていた。

 しかし、琴桜が考える「自分の良い部分」とは、そうではない。

「何が良い部分かは、本場所によって違いますよ。その時の状態の良しあしもあります。もちろん、本来なら継続して同じ状態を保てなければいけないんですけどね。その中で、内容が伴っているかどうかもあります。一場所一場所、自分の体の状態をしっかり確認しながら、その中で(どこが良いかを)見極めていくということですね。『前に出て攻める相撲』にしても、心技体を噛み合わせていかないとダメなんです」

 そして、「何がその時の自分の良い部分かって言いすぎると、(相手に)バレるんで。それは言いたくないです」と笑い、さらにこう続ける。

「相撲は対戦競技。流れもあるし、内容が伴わなくても白星につながることだってあります。そうした相撲を自分でどう捉えるか。その時その時、自分のどの部分で勝負できるか。ただ、漠然と相撲を取るだけじゃなくて、自分の勝負どころを見極める。相手の良さを潰して、勝負できるところで勝負しなければいけない。相手が自分以上の良い部分を出してきたら、勝てるものだって勝てませんからね。そうしたことができなければ、上位では(相撲を)取れませんよ」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動