大相撲平幕Vが早くも「平成31年間の9人」に並ぶ… 今後も止まらぬ番付崩壊、プロアマの差はないも同然
「事実としてはわかっているけど、まだ『自分が優勝したのか』という不思議な感じ」
28日、琴勝峰(25)が一夜明け会見で率直な心情を吐露した。
前頭15枚目で臨んだ7月場所は13勝2敗で、自身初優勝。千秋楽の27日は3敗の安青錦と対戦し、負ければ優勝決定戦という重圧の中、立ち合いで鋭く踏み込んで初の栄冠を手にした。
2023年1月場所では千秋楽まで貴景勝と賜杯を争い、優勝次点。本人も「その経験が生きた」と話しており、相撲が硬かった安青錦とは対照的だった。
入門時から「末は横綱か大関か」と期待された大器。これをきっかけに更なる出世が期待されているものの、相撲協会としては喜んでばかりもいられない。
というのも、平幕力士の優勝は令和に入ってから9人目。まだ令和7年だというのに、31年続いた平成のそれと同じ人数となってしまったのだ。しかも、この流れは止まるどころか、拍車がかかりそうな気配である。
ある角界OBは「まさに番付崩壊です」と、こう続ける。
「それもこれも、突出した力士がいないから。現在の上位陣は実力が拮抗しており、しかも毎場所対戦が決まっている。必然的に潰し合いになり、星を伸ばせない。そんな中を下位力士がすり抜け、優勝争いに加わるケースが増えている。番付下位の力士は終盤まで役力士と当たらないので、状態次第では序盤で星を稼ぐことも可能。スタートダッシュに成功すれば、いよいよエンジンがかかり、上り調子になるのが力士というものです。特に快進撃を続ける力士は相撲も積極的になる傾向があります」