大谷翔平「二刀流」復帰登板でいきなり161キロも…生かすも殺すもドジャースの操縦次第

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 ドジャース大谷翔平(30)が、ド派手な復活劇で全米の度肝を抜いた。

 日本時間17日、本拠地ドジャースタジアムでのパドレス戦に「1番・投手兼DH」で出場。エンゼルス時代に2度目の右肘靱帯手術を受けた2023年8月23日のレッズ戦以来663日ぶりに投打の二刀流で復帰し、1回を2安打1失点。メジャーを代表するバットマンの一人で3年連続首位打者のアラエスへの直球が、この日最速となる100.2マイル(約161.3キロ)をマーク。打っては2本のタイムリーを放って4打数2安打2打点で同地区のライバル相手の逆転勝ちに貢献した。

■抑えきれない球速

 1年10カ月ぶりのマウンドが移籍後初登板となった大谷は「きょう投げ終えて、また次も投げられそうなことが一歩前進かなと思います」と満足そうに振り返った。いきなり161キロをマークしたことには「なるべく95~96マイル(約153~155キロ)くらい投げたいなと思っていたけど、試合のレベルでマウンドに上がると、(球速が)上がってしまうのかなというのがあった」と、興奮を隠さなかった。

 次回以降は週に1度の登板になる見込み。復帰戦でいきなり100マイルを目の当たりにしたデーブ・ロバーツ監督は今後について「イニングはわからないが、彼の状態を見ながら判断する」とし、しばらくはオープナーやショートイニングでの起用になるとほのめかした。

 2度目の右肘靱帯修復手術からの復帰だけに、首脳陣は慎重を期して当面は投球回数や球数を制限して起用する方針だが、怖いのは反動だ。大谷は打者に専念してメジャー史上初の「50-50」(54本塁打、59盗塁)を達成した昨季終了後、「来季(25年)は投手中心のシーズンにしたい」と話すなど、二刀流復帰に並々ならぬ決意を見せていただけに、登板時にはアドレナリン全開になるのは必至。ただでさえ、チームの方針から今季は一時、投手としてのリハビリを中断させられ、投球プログラム再開後もライブBPでの登板でお茶を濁してきただけに、水を得た魚のように全力で投げ込むのは当然だろう。

 大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。

「この日の大谷はマウンドに上がる喜びに満ちあふれていることがうかがえました。通常の投手のようにマイナーでの調整登板が許されず、実戦マウンドから遠ざかっていただけに前のめりになるのも仕方がないのですが、これまで肘の手術から復帰した年に飛ばし過ぎて患部に異変が生じたり、故障が再発するケースは少なくありません。投打のリアル二刀流が大谷のアイデンティティーとはいえ、靱帯修復手術明けは移植した靱帯がなじむまで、制球が安定しない傾向がある。当面の間はリハビリの延長と割り切ることが必要でしょう」

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