大谷翔平「二刀流」復帰登板でいきなり161キロも…生かすも殺すもドジャースの操縦次第

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1イニング限定の反動

 実際、大谷は最初のトミー・ジョン手術から復帰した20年はコロナ禍もあってリハビリ、調整がままならず、復帰直後の2試合は1回3分の2で計8四球と深刻な制球難に陥り、再調整を強いられた。今回は前回のように制球に苦しむことはなさそうだが、1イニング限定だったこの日、いきなり161キロを投げたように短いイニングに限定することでかえって、自らリミッターを外しかねないのだ。

 大谷は昨季、移籍1年目で念願だったポストシーズン進出どころか、ワールドシリーズを制覇。悲願のチャンピオンリングも手に入れたとはいえ、DH限定での出場だった。最大の目標は投打のリアル二刀流で世界一に貢献すること。だからこそ、時に周囲がブレーキを踏む必要があるのは言うまでもない。

 すでに右肘を2度手術した大谷は以前、NHKの番組で「ピッチャーとしては2度目の手術なので、おそらくもう一度同じ症状になったら配置転換。例えば他の野手、どこのポジションになるかわからないが、そういうふうになる」と言っていた。

 とはいえ、ただでさえ投げたがりなうえ、責任感も人一倍も強い。エンゼルス時代はけいれんしながらも投げ続け、打者としても出場したほど。まして今回は二刀流に復帰した充実感、喜びも感じているはずだ。

 実際、この日も球速を抑えきれず、ロバーツ監督をヒヤヒヤさせた。問題は、そんな大谷をドジャースの首脳陣、フロントが時に首根っこを掴んででも、コントロールできるのかどうか。今回、投手復帰時期が前倒しになったのは、一日でも早く投手として復帰したい大谷に押し切られた面もある。

 前出の友成氏は「今後、完全復活に時間を要するとなれば、本格的な二刀流復帰は来季に持ち越してもいいのではないか」と言う。

 この日、ゴームズGMは「最大目標はシーズン終盤やポストシーズンに万全な状態でいること。毎回(大谷と)話し合っていく」としたが、二刀流を生かすも殺すも、球団の操縦の仕方次第である。

■「MLB.TV」過去最高視聴率記録

 米大リーグ機構は日本時間18日、「MLB.TV」が中継した前日のパドレス戦の視聴率が過去最高を記録したと発表した。
 同機構は詳細は明かしていないものの、これまで過去最高記録だった2024年のヤンキースとアストロズによる開幕戦を28%も上回ったという。

 開幕カードやポストシーズン以外で高視聴率を記録するのは異例のこと。

  ◇  ◇  ◇

 ところで、いまや本場米国でメジャーリーグの顔となった大谷だが、2028年ロス五輪に本人は乗り気でも「出場できない可能性」が高いという。いったいなぜか。どうして大谷は大舞台に立てなさそうなのか。その「3つの理由」とは。

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