大谷翔平が押し切った「投手復帰前倒し」の波紋…本人にもドジャースにも悪影響の懸念
大谷翔平(30=ドジャース)が、日本時間17日のパドレス戦で二刀流に復帰。球団の公式Xが発表した。投打の同時出場で、投手としては1イニングのオープナーとして起用。2023年8月23日のレッズ戦以来、663日ぶりのマウンドだ。
当初、球宴後といわれていた投手としての復帰が急きょ、大幅に前倒しされたのは何より大谷本人の意向が大きい。
大谷は首脳陣に「ライブBPで投げて、打者として試合に出場するのはかなりの負担になる」と訴えたという。「実戦形式で3イニングを投げた後、打者として試合に出場するのは、彼にとってダブルヘッダーをこなすようなもの。ショウヘイは『その労力を試合の中で使った方がいい』と言っていた」とはロバーツ監督。「試合で投げる準備はできている」という本人の報告もあったそうだ。
ドジャースは現時点で14人の投手が負傷者リスト(IL)入り。先発の頭数がそろわず、短いイニングをリリーフ投手でつなぐブルペンデーを多用せざるを得ないのが現状だ。メジャーの投手枠は13人と決まっているものの、二刀流枠の大谷を投手として起用すれば実質14人になる。このメリットもあるにはあるが、打ち勝つのが投手陣が脆弱なドジャースの必勝パターン。球団は何よりも大谷を打者として機能させたいのが本音で、本人の主張する“ダブルヘッダー”同然の疲労が打撃にも影響することを危惧した。結果として、一日も早く投手として復帰したい大谷に押し切られた格好だ。
大谷がキャンプ中から取り組んでいた投手としての調整を先送り、これまで打者に専念してきたのは球団の意向が大きかった。勝利が最優先、21世紀初のワールドシリーズ連覇を目指すためにはチーム方針に従うしかなかった。
しかし今回、大谷が早期の投手復帰を押し切った意味は、とてつもなくデカい。
「ドジャースがいよいよ、大谷のチームになりかねないからです」と、現地特派員がこう続ける。