イチローくん、ウソー!もっと早く言ってよ!と思ったあの日の話
ボールを手渡すと、イチローくんは「いいっすよ」と快くサインに応じてくれました。ペンを走らせながら、イチローくんはポツリと冒頭の言葉をつぶやきました。
しばらく記憶をたどっていくと、ひとつの出来事を思い出し、ボクはビックリ仰天しました。
「ウソー!? あの時(愛工大)名電にいたの?」
「いましたよ」
「マジでー?」
ヤクルトに入団して3、4年くらい経った頃、ボクは愛工大名電のキャンプを訪ねました。もう、時効でしょうから、ぶっちゃけて話します。その時ボクは中村監督(当時)に「何か言葉をかけてやってくれ」と頼まれ、部員の前でこんなことを話しました。
「どうせ練習するなら、楽しく過ごした方がいいだろ? 例えばランニングの時も、ただ走るだけだとつらい。走り終わって、帰りにコンビニでチョコレートでも買って食べることにすれば、楽しくできる!」
その時、ボクの話を目を輝かせながら(?)聞いていたひとりが、「ピッチャー鈴木一朗」だったのです。