日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

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伊藤大海(投手・23歳・苫小牧駒沢大)=日本ハム1位

 伊藤が生まれ育った北海道の鹿部町は、函館市より45キロほど北に位置する人口4000人弱の漁師町。タラコや昆布の特産地として知られ、厳冬期はマイナス10度に達することも珍しくない。

■船酔いしながらナマコ漁

 漁師である伊藤の父・清光さん(50)の朝は早い。11月のある日も、日の出とともに弟の清文さんと大海へ出た。エンジン付きの小型ボートで水深6~10メートルほどの沖合に着くと、専用の水中眼鏡で海底の獲物を探す。狙いはウニとナマコだ。「たも網」という、巨大な虫取り網のような漁具を使い、腕を海水に浸しながらかきとっていく。

「船酔いですか? しますよ(笑い)。何年やっていても波の形や揺れ方は毎回違いますからね。私はフェリーでも酔います。それに、ずっと下を見て作業しているのもありますね。年配の漁師さんたちでもゲーゲー言いながらやっているんですよ」(清光さん)

 とり放題、というわけではない。漁獲量の制限があるため、1日の最大水揚げ量はウニ30キロ、ナマコ20キロまでと決まっている。

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