ポストシーズン突然の活躍で「Mr.オクトーバー」に成り上がった3人のメジャー打者
ポストシーズンでは三流選手や無名の新人が驚異的な活躍をしてヒーローになるケースが少なくない。その代表例がランディ・アロザレーナ(現マリナーズ)、デービッド・フリーズ、スティーブ・ピアースの3人だ。
アロザレーナは2020年のポストシーズン前まで、メジャーでの出場経験が42試合しかなく通算本塁打も8本だった。しかし、選手層の薄いレイズにいたことが幸いしてレギュラーシーズン終盤に長打を連発すると、ポストシーズンではライトのレギュラーに抜擢された。それに気をよくした彼は地区シリーズで3本叩き込むと、アストロズとのリーグ優勝決定シリーズでも好調を維持して4本叩き込み、さらにドジャースとのワールドシリーズでもエース級から3本放って計10本とし、ボンズ、ベルトラン、N・クルーズの3人が保持していたポストシーズン最多記録(8本)を塗り替えた。チームはドジャースに2勝4敗で敗退したが、この神がかった活躍は大いに評価され、ポストシーズンで最も活躍した選手に授与される「ベーブ・ルース賞」に輝いている。ワールドシリーズで敗退したチームの選手がこの賞を受賞するのは45年ぶりだった。