バラエティー番組“怪談ブーム”でテレビマンが本当に怖れる「制作費200万円」時代の到来
「怪談・心霊」をテーマとした番組が増えている。TBSの「口を揃えた怖い話」に対抗したのか、日テレでは今秋から、「コワいヤツらと往く」がスタート。NHKでさえ、今期の朝ドラは、明治時代の松江を舞台に小泉八雲夫妻がモデルの“怪談夫婦”をテーマとした「ばけばけ」だ。
YouTubeでは“ヒトコワ”“事故物件”といった人間の恐怖を扱うチャンネルが人気を博し、HuluやNetflixなどの配信プラットフォームでも心霊ドキュメント系の再生数は高い再生数を誇る。しかし背景には、業界全体を覆う深刻な構造があるという。ある番組制作会社関係者がため息交じりにこう話す。
「制作費の極端な削減ですよ。かつては1時間のバラエティー番組で5000万円を投じていたフジテレビが、いまや深夜番組で制作費200万円で企画を募集しているのが実情です。照明、ロケ車、スタジオ、人件費、編集、それらすべてを含めての総額がこの金額です。正気の沙汰とは思えませんよ」
現在、GP帯(午後7~11時)において日本のバラエティー番組の平均的な制作費は1000万~2000万円弱。これはコンテンツ大国と言われる韓国やアメリカの4分の1以下という“低予算体質”が「常態化している」とこの関係者は言う。ゆえに、この手のコンテンツが量産されるというワケだ。