故・伊良部秀輝は「らしい理由」でPL学園の誘いを断った…僕との出会いは小学5年生
元巨人の橋本清氏による「僕だけが書けるスター選手の真実」(第14回=2004年)を再公開
日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。
当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり。当時の空気感や人間関係が、ありありと浮かび上がる。
本企画では、そうした過去の名連載から一編をピックアップして再掲載。「彼女は?」「離婚した?」「在日?」「不倫報道の真相は?」「子供は?」「性格や素行は?」――といったネットにあふれる真偽不明なまとめ情報よりも、“確かな人物像”を映し出す。
今回は故・伊良部秀輝について綴られた、元巨人の橋本清氏(評論家)による「僕だけが書けるスター選手の真実」(第14回=2004年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。(※この項は全4回。今回はその①)
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「おい、見てみろよ。あいつ、えらいごっついボールを放ってるで」
傍らにいた立浪が声をかけてきた。立浪とは幼稚園からの同級生。一緒に野球を始め、当時から野球センスはずばぬけたものがあった。その立浪がマウンドにいる相手投手を指さし、驚きの声を上げている。視線を移すと、ひょろりと背の高い投手が目に入った。