労働力調査で完全失業者数が前月比13万人増加の不気味
総務省が10月3日に発表した労働力調査に、今後の労働市場の気になる指標がいくつか見られた。2025年8月の就業者数は、6835万人と前年同月比で20万人増え37カ月連続の増加となった。
だが、前月比では15万人減少、さらに前年の7月(55万人増)、6月(51万人増)、5月(72万人増)に比べ今年8月の増加幅は20万人と大きく減少しているのだ。
また、労働力人口では前月比で2万人少なく、増加幅は36万人から27万人と大きく後退している。そして、完全失業者は182万人と、前月(169万人)から13万人増えている。企業の人手不足の常態化と今回の労働力調査の指標との矛盾は、今後の労働市場にどんな影響を及ぼすのか。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長が述べる。
「単月だけでの判断はできませんが、労働市場から退出した人が増える状況で、就業者数が減少、失業者数が増加しており内容的にも悪い。この8月の傾向が数カ月続けば景気動向に大きく影響してくると考えられる」
東京商工リサーチが発表した(10月3日)、25年1~9月の「人手不足」関連倒産は累計で過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻な状況が明らかになっている。
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