高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

公開日: 更新日:

「総裁にはなったが、首相になれないかもしれない女と言われている、かわいそうな高市早苗」と自虐ネタを飛ばした1週間前とは打って変わった様子だった。自民党の高市早苗総裁は20日、日本維新の会吉村洋文代表(大阪府知事)と連立合意。共同会見でご機嫌な表情を浮かべながら「国民の皆さまの不安を希望に変えたい」と力を込めたが、合意した政策メニューに不安は拭えない。自維連立政権の爆誕で「医療難民」の続出が懸念される。

  ◇  ◇  ◇

 21日召集の臨時国会に関し、高市氏は会見で「経済対策が本当に大切」と強調。「医療機関の7割が大きな赤字、そして福祉施設の倒産も過去最多」と危機感を示し、「この状況を何とか脱するために臨時国会はとにかく経済対策をしっかり打つ、補正予算を仕上げる」と意気込んだ。

 実際、医療機関の経営状況は悪化の一途をたどっている。東京商工リサーチの調査によれば、今年1~9月の病院・クリニックの倒産は27件。2006年以降の20年間で2番目の高水準で推移しており、このペースなら16年ぶりに年間40件を超える可能性がある。帝国データバンクの調査でも今年上半期(1~6月)の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産は35件に上った。年間では初めて70件に達する可能性があるという。

 医療クライシスが迫る中、高市氏は総裁選で診療・介護報酬の前倒し改定を掲げた。維新との連立合意文書にも具体策として、〈高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善(診療報酬体系の抜本的見直し)〉を明記。物価高に苦しむ病院や介護施設の〈経営状況を好転させるための施策を実行する〉と盛り込んだ。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  2. 2

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 3

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  4. 4

    「おこめ券」に農水省イケイケも…大阪・交野市長「配らない」宣言、全国自治体も困惑ですでに破綻

  5. 5

    狭まる「高市包囲網」…中国の露骨な“欧米巻き込み”で日中の緊張関係に出口なし

  1. 6

    全面切り替えでトラブル続き混乱拡大…それでも厚労省「マイナ保険証メリット周知」の笑止

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    東京3、大阪2…定数削減「試算」に自民党内は大モメ!「10増10減」仕切った森山裕前幹事長も苦言呈す

  4. 9

    愚策の極み「おこめ券」配布しない自治体が続出…使用期限付き「臨時券」案まで飛び出す泥縄ぶり

  5. 10

    自民党の支持率急騰で早期解散説が再浮上…永田町で囁かれるのは「来年1月7日解散→2月1日投開票」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発