女子フィギュア界の新星・中井亜美の強みは究極のプラス思考と鋼のメンタル
日本女子フィギュアスケートに新星が現れた。
日本時間20日に閉幕したグランプリ(GP)シリーズ今季初戦のフランス杯(アンジェ)で、初出場の中井亜美(17)が初優勝。SP(78点)、フリー(149.08点)と合わせ今季最高の227.08点をマークした。
フリーで憧れの浅田真央も得意としていたトリプルアクセル(3A=3回転半ジャンプ)こそ着氷を乱したが、その後は持ち味の切れのあるジャンプを次々と成功させた。シニア転向1年目の大舞台で、北京五輪銅メダルの坂本花織(25)、住吉りをん(22)の日本勢を抑えて表彰台の真ん中に立った。
長らく日本の女子フィギュアを牽引した浅田(2005年の中国杯2位)ですら逃した初出場初優勝の快挙を成し遂げたのは「究極のプラス思考」の持ち主であることが大きい。フィギュアスケートに詳しいメディア関係者がこう言った。
「今回、フリーの冒頭で大技の着氷に失敗しながら、その後は何事もなかったかのように安定した滑りを披露した。これは、日頃からメンタルトレを欠かさないからです。例えば、演技の最初にミスした場合、『全てのウミを出し切ったから、もう大丈夫』と自分に言い聞かせ、前向きに捉えるように心がけているのです。練習中は完璧な演技を目指すというよりも、ミスした時にどう対処するかを重視しています」