健大高崎・佐藤龍月のドラフト指名はあるか…12球団スカウトが注視するTJ手術からの復活
「ウチが指名するかどうかは言えないけど、他球団に行った場合も気にかけたい投手です」
あるパのスカウトがこう語るのが、健大高崎(群馬)の左腕、佐藤龍月だ。
チームメイトの石垣元気ばかりが注目されるが、昨年のセンバツは2年生ながらエースとして全5試合に登板し、無失点。健大高崎の大会初V、県勢に初となる紫紺の優勝旗をもたらした。
しかし、その後は左ヒジを痛め、高校生ながらトミー・ジョン手術を決断。長期離脱を余儀なくされたものの、今夏、わずか1年で実戦のマウンドに復帰。球速も自己最速のMAX147キロをマークするなど、復活をアピールした。
すでに巨人とヤクルトが佐藤と面談。スカウトの間でも、「以前は変化球タイプだったが、手術後は球速がアップし、力で押せるようになった」と評判だ。
冒頭のスカウトは「佐藤は今までにない例ですからね」と、こう続ける。
「高校時代にTJ手術を行った選手がいないわけではない。例えば去年、ソフトバンクが育成7位で指名した神戸国際大附の津嘉山も在学中に手術をしています。とはいえ、そもそも津嘉山はドラフト上位候補ではなく、いまだに実戦で投げていませんからね。そこに行くと、在学中にメスを入れて、しかもたった1年で実戦復帰した佐藤はレアケース。今後、プロでどれだけ活躍できるかは、我々スカウトにとっても今後の参考になる。ただでさえ、昨今は『TJ手術をしたい』という中高生が増えていますから」
仮に佐藤が上位指名され、プロでも大活躍……となれば、10代でヒジにメスを入れる投手が続出しそうだ。