佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し
スタンフォード大進学は野球より教育
佐々木は昨年の渡米時に「2年後以降、MLBまたはNPBの(ドラフト)指名をいただければうれしいと思っています」と言っている。つまりメジャー以外、眼中にないというわけではない。
20日にはヤクルトが佐々木を指名リストに入れると公言している。仮に米球界一本なら、ドラフト前のこの時期にその意思を公表すべきだし、日本のプロ球団に断りを入れて当然。それがないからこそ、ヤクルトのように日本のプロ球団は佐々木のドラフト指名を視野に入れているのだ。
「米スポーツ専門局であるESPNは、佐々木がスタンフォード大に進学した理由を、メジャーへの近道というより、質の高い教育を受けるためだとみています。英語も日常会話は難なくこなせるレベルで、チーム内で意見を言うなど適応力は高いと。つまり何が何でも大リーグじゃなければ嫌というのではない。花巻東時代はドラフト1位指名が確実視されていましたが、スタンフォード大での2年間を、ファームでの調整期間と捉えて指名する日本のプロ球団があっても不思議ではありません。知名度もバツグンですからね」(鈴村氏)
最終的に佐々木がどんな決断を下すかはともかく、日本のプロ球団は佐々木獲得に十分、脈があると踏んでいる。まだ指名対象には含まれていなかったため実現しなかったとはいえ、オリックスが昨年のドラフトで佐々木を指名しようとしたのも、獲得に勝算があればこそ。NPBが今年のドラフトの指名対象選手という通達を出したのも、実際に指名を検討する球団があるからではないか。
再来年の27年からはセ・リーグもDH制が導入される。“打つだけ”の選手の需要が高まるのだからなおさらだ。