米球界の監督選びは“脱大物時代”へ…2010年以降のトレンドが収束、異色人物の就任が増えている
■33歳最年少監督誕生の裏側
ナショナルズはレイズの育成部門の職員だった33歳のブレーク・ブテラを新監督に据えた。その数日前にまずGMの入れ替えが行われメジャーで一番若い35歳のポール・トボニが就任していた。この新GMは思い切ったチーム改革をする意欲が強く、実績のある名将を監督に据えると必ず軋轢が生じるので、監督に自分のイエスマンになる人材を据えるのがベストと考えていた。そこで数人いた候補者の中から最も若いブテラを選んだのだ。
■幻のプホルス監督
メジャーでは日本のように大物ОBを監督に据えるケースはほとんどない。唯一の例外がエンゼルスだ。有名人好きのオーナーの意向が優先するため、今回の新監督選びでも、超大物ОBプホルス一択で交渉が進行し、ほぼ決まりかけた。それが、土壇場で破談になったのは、プホルス側が法外な年俸を要求してきたからだ。エンゼルスは現役時代のプホルスと過大な契約(10年2億4000万ドル=当時約364億8000万円)を交わしたせいで、支払いに苦しみ、現在も未払い金が700万ドルもある。そのため、銭ゲバのプホルスに根強い不信感があり、話し合いを打ち切ってしまったのだ。このドタバタの後、再度監督選びが行われ、3年前に引退した日系人捕手カート・スズキが1年契約という最悪の待遇で就任した。



















