MLBの投手タイトル新設は不必要の極み…新たな「選考基準」が決定的に欠けている
先週、全米野球記者協会から「最優秀救援投手賞(リリーフピッチャー・オブ・ザ・イヤー)」を新設すると発表があった。
この発表に接したとき、筆者の脳裏をよぎったのは、これは必要のない賞ではないかという思いだった。すでにMLBには各リーグの最優秀救援投手に授与されるマリアーノ・リベラ賞(ア・リーグ)とトレバー・ホフマン賞(ナ・リーグ)があり、同じ趣旨の賞がもう一つできることは、ファンを混乱させることになるからだ。
MLBでは2010年ごろまでは、胃薬のトップブランドだったローレイズの名を冠した最優秀救援投手賞と、宅配便最大手のDHLがスポンサーになった最優秀救援投手賞が並立する状態が続き、どちらが権威ある賞なのか分からずファンは困惑した。しかし、ローレイズが異物混入事件で大衆薬の市場から姿を消したため、DHLの方だけ残り、これが14年に発展解消されて現在のリベラ賞、ホフマン賞になった。
それから10年以上が経過し、今では契約書に、同賞を受賞したらボーナスとして何万ドルが支払われるという項目を入れるリリーフ投手が増えているので同賞は権威が確立されたように見える。