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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

MLBの投手タイトル新設は不必要の極み…新たな「選考基準」が決定的に欠けている

公開日: 更新日:

 先週、全米野球記者協会から「最優秀救援投手賞(リリーフピッチャー・オブ・ザ・イヤー)」を新設すると発表があった。

 この発表に接したとき、筆者の脳裏をよぎったのは、これは必要のない賞ではないかという思いだった。すでにMLBには各リーグの最優秀救援投手に授与されるマリアーノ・リベラ賞(ア・リーグ)とトレバー・ホフマン賞(ナ・リーグ)があり、同じ趣旨の賞がもう一つできることは、ファンを混乱させることになるからだ。

 MLBでは2010年ごろまでは、胃薬のトップブランドだったローレイズの名を冠した最優秀救援投手賞と、宅配便最大手のDHLがスポンサーになった最優秀救援投手賞が並立する状態が続き、どちらが権威ある賞なのか分からずファンは困惑した。しかし、ローレイズが異物混入事件で大衆薬の市場から姿を消したため、DHLの方だけ残り、これが14年に発展解消されて現在のリベラ賞、ホフマン賞になった。

 それから10年以上が経過し、今では契約書に、同賞を受賞したらボーナスとして何万ドルが支払われるという項目を入れるリリーフ投手が増えているので同賞は権威が確立されたように見える。

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