3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情
「二刀流を1年でも長く」
ポストシーズンで抑えを務めた佐々木も来季は先発に復帰する。佐々木の体力を考慮しても、年間通じてローテを守れるとは思えない。「大谷と佐々木は休み休み、2人で交互にローテを務めるかもしれない」(同)という。
別の特派員はこう言った。
「ドジャースにとって大谷の二刀流は最大の売り物です。次に右肘手術が必要になったら投手を断念する可能性が高いだけに、投手起用は慎重にならざるを得ない。投手として1年でも長持ちさせるために、絶対に無理遣いはしない。本人が投げると言っても、状態次第でストップをかけますよ。ドジャースは現時点で1500億円超の契約金や年俸の後払いを抱えている。後払いは、いわば借金のようなものです。スター選手を獲得して戦力を補強し、勝って球場を満員にすることが広告収入につながる。このサイクルを維持するためにも、今後も後払いを連発して大物を獲得していく以外にない。実情は自転車操業だけに、大谷の二刀流という最大の商品は極力、大切にしたいはずです」
大谷はチームが今世紀初のワールドシリーズ連覇を達成した直後の祝勝イベントで、「来年、次のリングを取りに行く準備はできている。さあ、行こう!」と、英語でスピーチした。
本人は投手復帰2年目の来季こそ、打つだけでなく、ローテーションの柱としてもフル回転するつもりだし、そのための準備もしているに違いない。
今年はワールドシリーズ7戦目に先発するも3失点。あわや敗戦投手、連覇を逃しかねないピンチを最後の最後で中0日登板の山本に救われ、その山本はワールドシリーズMVPに選ばれた。大谷は第7戦直後に「(第7戦に)先発できたことはまずひとつ光栄なこと」と言いながら、「結果として悔しい思いはした」とも話している。ワールドシリーズの借りを返す意味でも来シーズンにかける意気込みはハンパじゃないだろうが、球団には球団の事情もあるだけに、今季同様、打者に軸足を置くことになりそうだ。
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ドジャースから侍J入りは「打者・大谷」のひとりだけという事態が現実味を帯びている。山本と佐々木はなぜ参加が不透明なのか。
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