「演劇をトコトン教わった」村井國夫の原点は高校の1年先輩

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 それで「社会に出てから苦労するのでは……」と心配したおふくろが、いやが応でも人前で話さなくてはならない演劇部入りに熱心で。

 ところが、旧佐賀城内にある佐賀高は鍋島藩の藩校「弘道館」をルーツに持つだけに、文武両道がモットーとはいえ、“軟派”なイメージの演劇部は人気がなくて。部員が20人弱いる中で、男は辻さんと私の2人だけ。

 当時すでに俳優志望で独特のメソッド(方法)を持っていた辻さんに、マンツーマンで演劇の基礎からトコトン教わりました。

 まず、登校前。学校そばの幅50メートルほどある、旧佐賀城外堀を挟んで発声練習です。ほぼ毎日やってましたから、ちょっとした名物になっていたんじゃないですか?

 放課後はパントマイムに演技、表情の作り方、せりふの言い方といった芝居全般に、歌。それから台本の選び方、ガリ版の扱い方、大道具・小道具の製作、照明に音響などありとあらゆることを教わりました。

 そして迎えた初舞台で私たちは木下順二作「瓜子姫とアマンジャク」を選び、私は瓜子姫のおじいちゃんを演じました。これがとても評判がよくてね。推薦で県の文化祭に参加することができました。しかも、音楽の先生に「声がいい。声楽家にならないか?」と褒められたんです。

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