「検察側の罪人」雫井脩介著

公開日: 更新日:

<「正義」を問う長編ミステリー>

 東京地検の刑事部に所属するベテラン検事の最上は、蒲田で老夫婦が刺殺された事件の初動捜査から立ち会う。

 やがて、被害者が金を貸していた競馬仲間数人が捜査線上に浮上。リストを見た最上は、松倉という男の名に見覚えがあった。二十数年前、最上が青春時代を過ごした独身寮の管理人の娘が殺されるという事件があり、松倉はその容疑者として名前が挙がっていた。だが、警察は松倉の犯行を立証できず、事件は迷宮入りのまま時効を迎えていた。松倉を犯人と疑う最上は、過去の事件の償いもさせたいと心に誓う。しかし、若手検事の沖野には、松倉が犯人とは思えなかった。

 正義とは何かを問う迫真の長編ミステリー。
(文藝春秋 1800円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了