「繚乱の人」宮崎義敬著
<平良リヱ子の波乱の人生>
沖縄舞踏家、平良リヱ子(84)の波乱の人生を描いた評伝。
沖縄で共に教職についていた両親の長女として生まれたが、向学の志高い父親は単身、東京へ。やがて、一家も上京するが、両親は離婚状態となり、貧しい母子暮らしの中、彼女は踊りの才能を認められ、日本舞踊の稽古に無料で通うことを許される。しかし、空襲で焼け出されて疎開。敗戦後、生計を1人で支える中、聞こえてきた三線の音に導かれて沖縄舞踊に出合い、沖縄出身者として忘れられつつあった古典舞踊の継承を決意する。そんな中、琉球王府に伝わる「御冠船踊り」の最後の継承者といわれる渡嘉敷守良と巡り合い、師事する。
(展望社 1800円)