「文壇さきがけ物語 ある文藝編集者の一生」大村彦次郎著

公開日: 更新日:

<新潮三羽烏時代の文壇史>

 大正の終わりから昭和にかけて活躍した文芸編集者、楢崎勤の評伝。

 明治34(1901)年に生まれた楢崎は、父が歯医者を開業していた朝鮮の京城市で過ごした中学時代に文学に開眼、雑誌などへの投稿を始める。肺を病み大学を退学して上京した楢崎は、大正14(1925)年、まだ家内工業的色彩が残っていた新潮社に入社。当時の同社の編集部には、編集者の身分でありながら、流行作家としても活躍する中村武羅夫、加藤武雄、水守亀之助の「新潮三羽烏」と呼ばれる3人が在籍していた。楢崎の活躍を軸に、高見順や太宰治、川端康成など、そうそうたる人物たちのエピソードを交えながら、昭和の文壇史を活写した力作。
(筑摩書房 1200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然