「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」川口マーン惠美著
■肌で感じた日独の長短所
ドイツ在住30年の著者が、肌で感じた日独の長短所を解説した比較論。
日本の長所は多く、実用面では際立っているという。宅配便などその最たる例で、全国を2時間単位の配達時間指定で網羅するなど、日本以外ではあり得ないそうだ。時間に比較的正確なドイツさえ時刻表通りに電車が走ることはまれだという。一方で日本は広報活動が苦手で、多くの国が実態よりもイメージの方が良い中、日本だけはイメージよりも実態が良い珍しい国だとも。尖閣諸島に足を運び感じた、共に敗戦国であるドイツと日本の違い、原発事故報道におけるドイツのメディアの偏向、さらにサラリーマンの休暇や義務教育まで、さまざまな視点から両国の差異を論じる。
(講談社 838円)