幸福度という考え方がある。良質な健康管理や国内総生産(GDP)の高さ、教育の機会、景観の美しさなどがその基準だ。本書で、世界167カ国の幸福の国際比較を紹介している。気になるのはどの国が世界で一番幸福で、日本は何位なのかだ。
幸福度ランキング1位はデンマーク、2位はスイス、3位がオーストリアで、日本は何と90位にとどまっている。かつての高度経済成長期のような経済成長も見込めない日本で、どうしたら幸せになれるのか。
著者は、物質的豊かさを求める量的な経済成長ではなく、江戸時代のような質的な成長を目指す定常型社会を提唱する。
(岩波書店 1700円)