「辞書の仕事」増井元著
■国語辞典の奥深い世界
「広辞苑」などの編集に携わってきた著者が、国語辞典の奥深い世界を案内する日本語エッセー。
「たほいや」「だんぼらぼ」など辞書に載っている知らない言葉を選び、参加者がもっともらしく解説して、そのらしさを競う辞書を使ったゲームなど辞書の楽しみ方。さらに、ある歌手がアルバムの解説に書いていた「目が点(になる)」という言葉が項目として辞書に採用されるまでの経緯や、ある読者から続いた20年来の要望で検討した結果、収録に至った宮崎県日南市の藩校「振徳堂」の名称など。多くのエピソードを交えながら辞書作りの舞台裏と、言葉をめぐるドラマを紹介していく。
(岩波書店 760円)