「キムチの四季」カン・スニ著、チョウ・ミリャン訳
■韓国伝統のキムチレシピ150選
カン・スニ著、チョウ・ミリャン訳「キムチの四季」(亜紀書房 2900円)は、韓国の伝統料理であるさまざまなキムチの中から、厳選150種類の作り方を紹介。著者はもともとは普通の主婦だったが、姑に厳しく指導されたことがきっかけでキムチの達人となり、ソウルの農業技術センターで「キムチ技能保有者」として認定された人物だ。
キムチの材料といえば白菜を思い浮かべるが、韓国では実にさまざまな野菜が用いられる。春はホウレンソウ、初夏なら新タマネギ、夏はナスや熟す前のカボチャ、ゴボウやレンコンのキムチというのもある。
また、キムチの味付けに使われるヤンニョム(調味料)にも、驚くほどたくさんの材料が使われる。まず大切なのが唐辛子だが、3種類が必要。丸のままの唐辛子は鮮明な赤い色を出すため、すり鉢でつぶした粉の唐辛子は辛味の基本、そしてピリッとした刺激を加えるために唐辛子の種も欠かせない。この他に、アミの塩辛、イワシのエキス、米粉を水に溶かしたもの、乾燥エビなどを加えて、韓国では各家庭ごとのヤンニョムが作られる。