「あさめし・ひるめし・ばんめし」日本ペンクラブ編、大河内昭爾選

公開日: 更新日:

■文筆家32人の味覚エッセー

 昭和の文筆家たちの味覚随筆を編んだアンソロジー。

 三浦哲郎の「鰯たちよ」は、岩手の実家に帰郷した折に母親と取った昼食についてつづる。氏の郷里では、冬は朝炊いたご飯が凍ってしまうので、昼食は湯漬けが定番だった。その際のおかずは塩漬けの鰯を七輪の炭火で焼いた「鰯っこ」と決まっていたという。年老いた母と「鰯っこ」なしの湯漬けを食べながら、子供時代を追想する。その他、2日前の硬くなった大福を餅網の上で焼いて食べるおいしさや、お供え餅を崩して焼いて食べる味わいなどをつづる永井龍男の「餅を焼くこと」など。32人の滋味深い名文を味わう。(筑摩書房 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です