「戦前日本SF映画創世記」高槻真樹著

公開日: 更新日:

■「ゴジラ」に見る日本人のSF的想像力

 日本SF映画の原点にして金字塔といわれる「ゴジラ」(1954年公開)。戦後から語り始められることが多い日本のSF・特撮映画の歴史を戦前にまでさかのぼり、「ゴジラ」を生み出した日本人のSF的想像力のルーツをたどる映画本。

 著者は、日本で最初のSF映画を1926年公開の「狂つた一頁」(衣笠貞之助監督)と定義。精神病院の患者たちの精神世界を、特撮映像を駆使して表現したこの映画の製作に、実はゴジラの特撮監督を務めた円谷英二も撮影助手として携わっていたという。その後の小型映画と呼ばれる愛好家の作品から商業映画まで、歴史に埋もれた多くの作品を紹介しながら、ゴジラ誕生までの歴史をたどる。
(河出書房新社 2500円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー