「ハロワ!」久保寺健彦著

公開日: 更新日:

■ハローワークが舞台の連作小説

 28歳の沢田は、公共職業安定所のハローワーク宮台で嘱託職員として働き始める。求職者として同所に通う中、統括官の千堂にスカウトされたのだ。研修を終え、相談カウンターに出た沢田は、初利用という68歳の波多野を担当。2人のやりとりを見守っていた千堂や先輩相談員から、沢田は波多野に注意するよう言われる。

 案の定、翌日から波多野は沢田を指名し、延々と脈絡のない話を始める。配管工だった波多野は事務職を希望しているが、歯がないことを理由に不採用が続く。沢田が意を決し歯を治療するよう助言すると、波多野は急に怒り出す。

 ハローワークを舞台に新人相談員と求職者とのドラマを描く連作小説。
(集英社 600円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘