「4番打者論」掛布雅之著
■「打ち取られる美学」などの野球哲学
4代目ミスタータイガースが4番打者のあり方を語った野球本。
氏はチーム生え抜きとして歴代3番目の800試合で4番打者を務め、通算349本塁打を放った。だが、実は高校時代は公式戦でのホームランは1本もなかったという。
球団・チームの象徴である4番打者は、勝ち負けを超えた「魅せる野球」をファンに提示する義務がある。ライバル・江川卓との勝負などを例に真っ向勝負が生む「打たれる美学」と「打ち取られる美学」「一振りで決着をつける」凄み、そしてその存在の凄みを誇示するためにも一流でなければならない守備など。自らの現役時代を語りながら、その野球哲学を説く。
(宝島社 752円)