「戌亥の追風」山本一力著

公開日: 更新日:

■ほれた女のためなら命がけの江戸の男たち

 木更津の薪炭問屋「波切屋」は、仕入れた流木の丸太を材木問屋の吉野屋に転売。

「流木は拾った者勝ち」が習わしだが、丸太に「御公儀御用」と材木問屋「深川木柾」の焼き印を見つけた吉野屋は、木柾と掛け合って、丸太を譲るとの一判を得るよう言い出す。木柾の娘と顔なじみの波切屋の次女・おきょうがその役を買って出て、五大力船で江戸に向かう。

 しかし、おきょうは理由も告げられぬまま、中川の船番所に留め置かれ、吟味を受けることに。江戸の薪炭問屋「上総屋」の手代、仙之助はおきょうを助け出すために、佃島の肝煎、五兵衛に協力を求める。

 ほれた女のために悪と戦う男の気概を描く長編時代小説。

(集英社 1600円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?