「地方消滅の罠」山下祐介著

公開日: 更新日:

「2040年までに全国の市町村の半数が消滅する可能性がある」とした、昨年5月の日本創成会議・人口減少問題検討分科会の報告、通称「増田レポート」は社会に大きな衝撃を与えた。著者は提言が対抗策として「選択と集中」を掲げ、地方消滅が既定路線であるかのように世の中を導いていることに疑問を投げかける。

 国民の間にこの問題に対する「諦め」を誘発し、「人口減少ショック」を利用してこの国を何らかの方向に動かそうとしている人がいる可能性もあると指摘。「選択と集中」論は、地方・農家・弱者の切り捨てに帰結すると批判する著者が増田レポートの偽りを暴き、地方再生の論理と道筋を示した警世書。

(筑摩書房 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑