「『理』と『情』の狭間」磯山友幸著

公開日: 更新日:

 父と娘の戦いで話題になった大塚家具。これは実は、どこの家族経営の企業でも起こる話なのだ。

 初めは〈家業〉でも、株式を上場したら社会の〈公器〉になる。創業者となるのはカリスマをもった人物が多いが、後継者となる2代目はカリスマをもっていない。だからこそ、大塚久美子氏は大塚家具をオーナー経営型から徐々に変えていこうとしたのだ。

 オーナー家が会社から安定した利益を得ようとするなら、ヨーロッパのファミリー企業にならって有能な経営責任者を外から招いて会社の業績を上げたほうがいいと著者は提唱する。大塚家具の骨肉の争いから読み取るべきことを教えてくれる本。(日経BP社 1500円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」