• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「村に火をつけ、白痴になれ」栗原康著

 伊藤野枝の人生は、「超」がつくほど密度が濃い。大正時代のアナキストで、ウーマンリブの先駆者。若くしてバツイチになった後、辻潤との間に2人、大杉栄との間に5人の子をもうけている。「国家の害毒」として憲兵隊に虐殺されたとき、まだ28歳だった。

 著者はアナキズムの研究者で、伊藤野枝のファン。野枝さん、最高! と、心のアイドルについて書くようなノリで、野枝の壮絶な生涯を追っている。彼女の人生をひとことで言うと、「わがまま」。学ぶこと、食べること、恋にも性にも、わがままだった。だから、ことごとく「まっとうな社会」とぶつかる。

 結婚制度を否定し、姦通罪に憤慨し、不倫だ愛人だとバッシングされても動じない。不倫上等、淫乱結構、騒ぐなら騒げ。好きな人と好きなようにセックスして、好きなように生きるのだ。大杉ともども逆風にさらされ、仕事を干され、いつも貧乏。でも、なんとかなるさ。いくぜ、大杉。金がないならもらえばいい……。野枝の強さを描く筆はほれぼれするような名調子。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    内閣支持率が軒並み急落 驕れる安倍政権に国民の怒り爆発

  2. 2

    脇雅史氏が自民批判「政党さえ勝てばいいでは国が終わる」

  3. 3

    人権の意味をわからず 「LGBT支援は必要ない」という暴論

  4. 4

    ブレーク時は最高月収500万円 “即興なぞかけ”ねづっちは今

  5. 5

    捕手難にあえぐ巨人…育成継続かFA西武炭谷獲りに動くのか

  6. 6

    ボロアパートの横に諸星和己が…竹原慎二さんのド貧乏時代

  7. 7

    政治資金から「利息」 自民・穴見議員のトンデモ“錬金術”

  8. 8

    新曲からToshl排除で波紋…X JAPANに解散説浮上のウラ側

  9. 9

    指揮官との面談拒否し窮地 Gゲレーロはオフにトレードか

  10. 10

    無策の安倍首相を尻目に…本田圭佑「電撃訪朝」急浮上

もっと見る