「危険なビーナス」東野圭吾著

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 主人公は、町の小さな動物病院の院長代理として働く獣医・手島伯朗。ある日、診察中の伯朗のもとに、楓という女性から一本の電話が入る。楓によれば、伯朗とは没交渉になっている異父兄弟の弟・明人と去年、仕事先のアメリカ・シアトルで2人だけの結婚式を挙げて帰国したが、明人が書き置きを残して失踪してしまったのだという。そして失踪の原因を探るために、伯朗が長年立ち寄っていない明人の実家の矢神家へと連れていってほしいというのだ。

 資産家の面倒事に巻き込まれるのが嫌で、母親が亡くなって以来、矢神家とは距離を置いていた伯朗にとって矢神家は近づきたくない場所だったが、美人で頭の回転の速い楓のその魅力に引かれ、いつしか協力する羽目になるのだが……。

「秘密」「容疑者Xの献身」「祈りの幕が下りる時」など、数々のミステリー作品で高い評価を受けている著者の最新作。謎の美女の登場を契機に、忘れかけていた過去の出来事の真実が見えてくる。(講談社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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