「危険なビーナス」東野圭吾著

公開日: 更新日:

 主人公は、町の小さな動物病院の院長代理として働く獣医・手島伯朗。ある日、診察中の伯朗のもとに、楓という女性から一本の電話が入る。楓によれば、伯朗とは没交渉になっている異父兄弟の弟・明人と去年、仕事先のアメリカ・シアトルで2人だけの結婚式を挙げて帰国したが、明人が書き置きを残して失踪してしまったのだという。そして失踪の原因を探るために、伯朗が長年立ち寄っていない明人の実家の矢神家へと連れていってほしいというのだ。

 資産家の面倒事に巻き込まれるのが嫌で、母親が亡くなって以来、矢神家とは距離を置いていた伯朗にとって矢神家は近づきたくない場所だったが、美人で頭の回転の速い楓のその魅力に引かれ、いつしか協力する羽目になるのだが……。

「秘密」「容疑者Xの献身」「祈りの幕が下りる時」など、数々のミステリー作品で高い評価を受けている著者の最新作。謎の美女の登場を契機に、忘れかけていた過去の出来事の真実が見えてくる。(講談社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る