「危険なビーナス」東野圭吾著

公開日: 更新日:

 主人公は、町の小さな動物病院の院長代理として働く獣医・手島伯朗。ある日、診察中の伯朗のもとに、楓という女性から一本の電話が入る。楓によれば、伯朗とは没交渉になっている異父兄弟の弟・明人と去年、仕事先のアメリカ・シアトルで2人だけの結婚式を挙げて帰国したが、明人が書き置きを残して失踪してしまったのだという。そして失踪の原因を探るために、伯朗が長年立ち寄っていない明人の実家の矢神家へと連れていってほしいというのだ。

 資産家の面倒事に巻き込まれるのが嫌で、母親が亡くなって以来、矢神家とは距離を置いていた伯朗にとって矢神家は近づきたくない場所だったが、美人で頭の回転の速い楓のその魅力に引かれ、いつしか協力する羽目になるのだが……。

「秘密」「容疑者Xの献身」「祈りの幕が下りる時」など、数々のミステリー作品で高い評価を受けている著者の最新作。謎の美女の登場を契機に、忘れかけていた過去の出来事の真実が見えてくる。(講談社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動