「ジハーディ・ジョンの生涯」ロバート・バーカイク著 野中香方子訳

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 イスラム過激派組織ISILに所属し、カメラの前で人質の首を切り落としたとされる黒覆面の死刑執行人「ジハーディ・ジョン」。その映像は、あっという間に世界中に広まり、多くの人々を戦慄させた。

 身元捜しの結果、ジハーディ・ジョンがクウェート難民としてロンドンで育ったモハメド・エムワジであることが判明。著者は、それがかつて取材をした一人の青年であることに気づいて驚愕する。5年前の彼は、大学でITを学んだ礼儀正しい青年だった。一体何が彼をテロリストへと変身させたのか……。

 本書には両親と共にイギリスに渡った幼少期のエピソードや、イスラム過激派と疑われて厳しい監視下に置かれ、職も婚約者も失うことになったことなどがつづられていく。脅迫的な尋問や監視が、逆に若者たちを先鋭化させ、次々とジハーディ・ジョンが生まれる土壌があることも指摘。巻末添付のクローズアップ現代の元キャスター・国谷裕子氏の解説も興味深い。(文藝春秋 1900円+税)


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