「女城主」池波正太郎ほか著 細谷正充編
天正15年正月、真田昌幸は秀吉に命じられ、かつて敵対していた家康と面会。2年後、家康の重臣・本多忠勝の娘・月姫が真田家に輿入れする。定期的に月姫と孫を里帰りさせるが、昌幸は彼女らがいつか徳川側の人質にされてしまうのではないかと危惧する。慶長5年、石田三成が家康打倒の軍を起こす。家康に背き、豊臣方につく決心をした昌幸は、ひと目、嫁と孫に会うため沼田城に立ち寄る。だが、月姫は城内に昌幸が立ち入ることを認めない。(井上靖著「本多忠勝の女」)
ほかに、来年の大河ドラマの主役・井伊直虎を主人公にした「虎目の女城主」(植松三十里著)など、女城主をテーマにした時代小説アンソロジー。(PHP研究所 620円+税)